今週のコラム 「『盤石の財務基盤』を次世代へと繋ぐ」 [2020年9月2日号] 売り手と買い手のお金感覚は真逆

積み上げた金貨

おはようございます。村上です。

今日もこのコラムをご覧いただき、
 ありがとうございます。

コンサルティングの中で、
 中小企業の財務基盤が盤石になっていただく
 ためのアドバイスをいつもしていて、
 つくづく感じることがあります。

ビジネスは、
 売り手と買い手のどちらか、
 ということです。

ちょっとだけカッコつけた言い方をすると、
 二項対立の塊り、
 ということです。

つまり、
 商品を売るか、買うか。
 商品を使うか、使っていただくか。
 お金をもらうか、支払うか。

こんな感じです。

今日お伝えしたいのは、
 もちろん資金繰りに寄せた内容ですので、

「お金をもらうか、支払うか」
 といったところでしょうか。

何かの商品サービスが
 この世に存在するということは、

その商品サービスの売り手と買い手が
 この世に存在するということです。

そして、
 売り手は商品サービスを提供する。
 買い手はその代金を支払う。
 売り手はその代金をもらう。

といった流れが生まれます。

さて、この
「買い手はその代金を支払う。
 売り手はその代金をもらう。」
 に注目してください。

これに関して、
 資金繰りセミナーやら書籍には、
 ほぼもれなく取り上げられていることが
 あります。

それは、
「入金は出来るだけ早く、
 支払は出来るだけ遅く」
 です。

これって、よく考えると、
 一筋縄ではいかない、
 綱引き勝負みたいな感じがしませんか?

売り手はもちろん、代金を回収します。
 しかも「出来るだけ早く」。
 これはあたり前ですよね。

けど、自分のところに入ってくるお金は、
 買い手が払ってくれるから、
 もらえるんですよね。

その買い手の行動ルールは、
 「支払は出来るだけ遅く」。

やり取りするお金をめぐって、
 もらう側は「出来るだけ早く」、
 払う側は「出来るだけ遅く」
 となるわけです。

それぞれが譲らなかったら、
 事故が起きます。

まあ、現実世界でそんなメチャクチャなこと
 にはなりませんが、
 放っておいたらそうなりかねない。

そこで、歩み寄るために、
 通常の決済条件として、
 1カ月ルールが生まれたように思います。

つまり、
 売った方も買った方も、
 当月末で絞めて、翌月末で決済する。

取引をして1か月後には、
 きっちりと代金のやり取りを完了させよう、
 という約束事のようなものです。

でも世の中は単純にはいかないようです。
 商品は買ってやる、
 でも支払は3か月後、しかも90日手形で。
 なんてキツイ条件を一方的に
 押し付けてくる場合もあります。

そうです。
 買い手の方が力関係で優位な場合です。
 良し悪し抜きにして、
 こういった世界もまだまだ多く存在しています。

こういった場合、お金をもらう側は大変です。
 商品の仕入れ代金は1カ月ルールで支払う場合が
 ほとんどだからです。

でも代金が入ってくるのは3か月とか半年先。
 これでは、資金繰りが悪化するのは当然です。

こういった場合、
 いくら買い手が強くても、
 決済条件の見直しを要求すべきです。

100%上手くいくとは言い切れませんが、
 場合によっては、
 応じてくれるケースだってあります。

泣き寝入りなんてせずに、

支払いに比べて入金までの期間が長い場合には、
 諦めずに少しでも1カ月に近づくように
 頑張るべきです。

そんな積み重ねで、
 皆さんの会社の資金繰りが
 ちょっとずつでもいいので、
 改善していくことを期待しています。

資金繰りを改善することは、
 貴方の会社を守ることに直結します。

それは、社員とその家族を
 守ることでもあるのです。

もうお分かりかと思いますが、
 一番ヤバいのは、

その辺の理屈を全く知らずに、
 相手から言われるままの決済条件を
 100%受け入れてしまうことです。

そんな無防備な会社は
 この御時世、
 なかなかお目にかかりませんが(笑)

1日経てば、資金は1日分溶けます。
 1日でも早く、
 意識変革をしてもらいたいと願っています。

 

今日も最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

 次回もまた当コラムでお会いできる
 のを楽しみにしています!