今週のコラム 「『盤石の財務基盤』を次世代へと繋ぐ」 [2020年1月31日号] それを言っちゃあオシマイよ!

「おいちゃん、おばちゃん、
 それを言っちゃあ、おしまいよ!」
 (by車寅次郎)

僕のような寅さんファンは
 皆さんそうだと思いますが、

脳裏に焼き付いている名セリフです。

このセリフ、
 いろんなシーンで
 寅さんは吐き出すのですが、

シーンにかかわらず共通しているのが、

寅さんが、
 怒りの感情を抑えられなくなって、
 ブチ切れる際の、

合図とでもいいますか、
 狼煙とでもいいますか。

とにかく、
 「これ以上はもう我慢ならん!」
 という時に、
 吐き出す名セリフ。

そうです。

この
 「一線を超えたら、
 良くても悪くても、
 状況は一変する」

企業経営では
 頻繁に使われる考え方です。

今日は、このことについてお話しします。

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損益分岐点売上高。

聞いたことのある方も
 いるかと思います。

言葉としては、
 聞いたことがない経営者でも、

内容を聞けば、
 お分かりになると思います。

つまり、
 「費用をすべてカバーして、
 利益がプラマイゼロになるような売上高」

いかがでしょうか?

 シンプルな例でお話しします。

ある企業が、
 100売り上げたとします。

売上原価は
 70とします。

つまり、
 粗利益は30ですよね。

で、
 給料とか
 事務所家賃とか
 交際費とか、

諸々の費用を
 この粗利益でカバーしなければなりません。

この諸々の費用をカバーし終えて、
 5だけ残っていれば、
 営業利益が5稼げた!

となりますが、もし、
 営業利益がちょうどゼロだったとしたら、

この売上100は、
 費用をちょうどカバーし終えて、
 利益がプラマイゼロになるような売上高、

ということになります。

こういった売上高を、
 「損益分岐点売上高」
 というのです。

実際の売上が、
 損益分岐点売上高を
 「上方向に」
 突き抜ければ突き抜けるほど、
 利益を稼いでいることになります。

逆の場合、どうでしょう?

実際の売上が、
 損益分岐点売上高を
 「下方向に」
 突き抜ければ突き抜けるほど、
 損失が膨らんでいることになります。

 ここで、
 少しだけ、応用問題です。

あなたの会社の営業利益が10だとします。

この営業利益10を、
 20に増やしたいとした場合、

売上高を
 どれだけ増やさなければ
 ならないでしょうか?

ここでは解説はしませんが、
 こういったシンプルな問いにも、

経営者は直感的に数字を
 はじき出せるようになっていただきたい。

なぜなら、
 トップダウンで下す命令は、
 具体的であればあるほど、
 伝わるからです。

ここでいう「具体的」とは
 「数字で」ということです。

売上が
 損益分岐点売上高を
 下方向に突き抜けてしまうような場合、

経営者のあなたは、
 寅さんでなくても、

「こんなことになったらおしまいよ!」

と思わず叫びたくなるかも知れません。

 そうならないように、

常に、
 自社の状況を数字で追いかけて、

数字で
 具体的な指示を出せるような
 仕組みを、

確立していただくことが必須です。

厳しい言い方をしますが、

昔のような
 「経験と勘」に頼る経営は、
 もはや化石に近いといえます。

今後は、
 経営者だからこそ、

必要最低限の数字は、
 使いこなせるようになる必要があります。

そのためのご支援は惜しみません。

 

今日も最後までお読みいただき、

 ありがとうございました。
 次回もまた当コラムでお会いできる
 のを楽しみにしています!