家に帰るやいなや、カミさんに「あれは八
つ墓村姉妹だ!」と言ったら、叱られまし
た(笑)
先日、最寄駅を降りて、家まで歩いていた
時のことです。
手作りおにぎりを売っているお米屋さんが
あるんですが、そのお店の前を通り過ぎよ
うとしていたら、前方から軽乗用車がハザ
ードを点滅させながら、ゆっくりと近づい
て来たのです。
「ははぁ、おにぎりか何か買いに来たんだ
な。」と思い、道の端っこに移動したので
す。
僕は道の右側を歩いてたので、前方からこ
ちらに向かってくる軽乗用車とは鉢合わせ
な感じ。
そうしたら、
ん?
車がさらに寄ってくる!
僕はギリギリまで端っこに移動。
ん??
まだ寄ってくる!!
どこまで寄ってくるんじゃい!!!
(明らかに車幅感覚が狂っとる!)
スレスレに避ける時に、運転席を覗いたら、
そこにはどう見ても80代のお婆ちゃんが座
ってる。
次に助手席を覗きました。
そこにも、どう見ても80代のお婆ちゃんが
座ってる。
しかも、二人とも同じ顔!
ちゃんとお化粧していて、髪も結っていて、
しかも同じような着物を着ている。
二人とも、道のメッチャ端っこにへばりつ
いている僕の存在など意に介さない様子で、
真正面を物静かな顔つきで見据えている。
とっさに思い出したのが、横溝正史の映画
「八つ墓村」に出ていた双子の老姉妹。
まじにソックリでした。
家に着いて、その一部始終をカミさんに話
したら、「そんなこと言うもんじゃないよ」
と叱られました(笑)
別にお婆ちゃん蔑視のつもりでお話しして
いるつもりもなく、単に八つ墓村の双子の
老姉妹を思い出しただけのこと。
いずれにしても、年配者のドライバー対策
は急務ですね。
自動運転がその救世主とも言われてますが、
それで全てが解決する訳じゃないですから。
それにしても、少しだけ怖かったかな〜。
もちろん、いろんな意味でね(大笑)
今日はこの事にちなんで、お話しします。
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「昔取った杵柄よ」とか、
「若いもんにはまだ負けられねぇ」とか、
気の強い、もしくは頑固なベテラン経営者
が発する決まり文句だったりします。
確かに一理あります。
大樹の年輪の如く、長年にわたり積み重ね
てきたその経験と知見は、どれだけ優秀な
若手でも太刀打ちできない部分というのは、
必ずあります。
分かり易いのが、
「こういう時に、何をしたら上手くいくのか、
何をしたら上手くいかないのか」
という経営判断の要諦。
こればっかりは、数え切れないくらいの失
敗を重ねてきたからこそ言える、修羅場を
くぐってきたベテラン経営者の値千金の経
験則です。
しかし、一方で、ベテラン経営者が優秀な
若手後継者に敵わない部分も確かにありま
す。
それは、経営判断の精度です。正確性とも
言えます。
年齢と共に、緻密な思考や、緻密な作業の
精度は、残念ながら下降カーブを描いてい
きます。
いわゆる経年劣化のようなものです。
実は、これは絶妙な合図でもあるのです。
何が絶妙かというと、緻密な思考を積み上
げるような判断は、「優秀な若手後継者に
伝授すべし」という合図でもあるからです。
経験則に関しては、若手後継者が逆立ちし
ても勝てないモノをお持ちのベテラン経営
者が、優秀な若手後継者にその要諦を伝授
して、若かりし頃の自分の分身を育てられ
るとしたら、素晴らしくないですか?
頭脳はベテラン経営者が司り、実際に具体
化していく手足は若手後継者が司る。
まさに、経験と知見の伝承です。
これが連綿と続くことにより、企業におけ
る経営者の経験知見が伝承されていくので
はないでしょうか?
冒頭の現代版の八つ墓村姉妹について言え
ば、彼女たちも若い頃であれば、その車幅
感覚は完璧だったことでしょう。
しかし、今の時点では仕方のないことです
が、車の運転の精度そのものについては、
相当の経年劣化が起きているようです(笑)
引かれそうになった僕がすべきは、「他人
のふり見て我がふり直せ!」でしょうか。