今週のコラム 「『盤石の財務基盤』を次世代へと繋ぐ」 [2020年1月13日号] 水鳥ってはた目にはとても優雅ですよね。

遠目からだと、とてもゆったり見える
 モノって、たくさんありますね。

遠目であればあるほど、その姿はとて
 も優雅に見える、

たとえば、湖面をスイスイと泳ぐ水鳥。

傍目には、とても優雅ですよね。

しかし、水中では、両足を目まぐるし
 く動かして、その水かきで必死に水を
 かき分けて、進んでいます。

でも、顔はもちろん、あの顔です。

あの子たちがいくら必死にもがいてい
 たとしても、苦しそうな顔なんかする
 わけない。

だから、僕ら人間には、その苦労は分
 かろうはずもありません(笑)。

まわりを見回した場合、はた目には、
 何の苦労もしてなさそうなのに、やる
 事成す事、上手くいっている人ってい
 ませんか?

今日はそんなことをお話しします。

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 以前、私の財務コンサルティングのクラ
 イアントだった経営者のお話しをしたい
 と思います。

彼は軽貨物運送業をやっている中小企
 業の経営者です。

彼の特徴は、

・外部環境の変化に先手を打っていかな
  いと、規模の小さい企業ではたちどこ
  ろに存続も危うくなることを肌身で分
  かっている。
  なので、環境変化に関する情報を常に
  収集している。

・身の丈を超えた虚勢をはることが、身
  を滅ぼすことを熟知しているので、業
  務用の軽自動車は中古しか買わない。
  社長の車も同じく、軽の中古しか買お
  うとしない。
  なので、固定費負担は限界まで圧縮で
  きている。財務的に極めて健全。

・気の利いたドライバーが増えれば増え
  るほど、彼らは得意先から有用な情報
  を引っ張ってきてくれることを熟知し
  ているので、ドライバーを大切にして
  いる。

まだまだありますが、いろいろな部分で、
 隠れた名経営者でもあります。

彼の会社は小さいながらも、「山椒は小
 粒でキリリと辛い」的な企業になってい
 て、いわゆる「強い会社」の仲間入りを
 果たしています。

この会社、同じ地域の同業者から見たら
 どう映るでしょうか?

「あの会社、車は中古しか使っていなく
  て、それほど景気は良さそうに見えな
  いけど、なぜかしっかりと続いている
  よなぁ。」

「あの会社、社長はいつも軽の中古しか
  乗っていないけど、なぜかしっかりと
  続いているよなぁ。」

「あの会社、羽振りは決していいとは思
  えないけど、ドライバーは生き生きと
  働いているよなぁ。」

などなど、思っているのではないでしょ
 うか?

しかし、それはあくまでも外づらだけの
 ことで、当の経営者は、日夜もの凄い努
 力をしているのです。

・会社の業績が少しでも上向くように、
 ・黒字が少しでも増えるように、
 ・純資産比率が少しでも向上するように、
 ・ドライバーが少しでも前向きに働ける
  ように、

そんなことばかり、いつも考えて経営に
 向き合っています。

今は地味な本社屋にいて社長車も軽の中
 古ですが、数年後もたぶん同じではない
 でしょうか?

おそらく今と違うのは、

・業績は著しく向上していて、
 ・黒字幅が著しく増えていて、
 ・純資産比率は著しく向上していて、
 ・著しく前向きなドライバーが増えてい
  る

そんな光景が目に浮かぶということです。

はた目には「上手くいっているよなぁ。」
 と思えるような経営者がいる場合、ほぼ
 間違いなく、その人は、上手くいってい
 ない方々と比べて、抜きん出た努力を積
 み重ねています。

僕の友人でもある、地方の小さな企業の
 名経営者のことをふと思い出したので、
 今日はお話しさせてもらいました。

 

 今日も最後までお読みいただき、
 ありがとうございました。
 次回もまた当コラムでお会いできる
 のを楽しみにしています!