今週のコラム 「『盤石の財務基盤』を次世代へと繋ぐ」 [2020年2月22号] 1000円掛かるって伝えた方がいいのに

先日、こんなことがありました。

 在来線のグリーン車に
 乗っている時のことです。

グリーン車なのを知ってか知らずか、
 料金を払わずに座っている
 中国人らしき女性客を見かけた
 乗務員さんの対応です。

「日本語分かりますか?」

「・・・」

 「ここはグリーン車なの
  このまま乗っていると
  お金がかかりますよー!」

「・・・」

 「ここはグリーン車といって、
  お金を払ってもらう必要が
  あるんですよー!」

「・・・」

 「あちらの普通車両に
  移っていただければ、
  お金は掛かりませんよー!
  移るのであればご案内しますよー!」

 なかなか埒があかないようでした。

ようやく、乗務員さんに促されながら
 一般車両に移動していった
 その中国人らしき女性。

もしかして、
 彼女は乗務員さんの言っている意味が
 分かっていたのではないでしょうか?

ただ、
 グリーン料金の具体的金額(1000円)を
 いっこうに教えてもらえなかったので、
 どうしたらいいのか困っていたのかも
 知れません。

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 話は変わりますが、

仕事の場面でも、よく見かけませんか?
 指示が具体的でない場合って。

 例えばこんな風。

(上司)いいか、まずはクライアントに
    好かれろ!

(部下)どうやったら好かれるんですか?

(上司)相手の懐に飛び込むんだよ!

(部下)どうやったら相手の懐に
    飛び込めるんですか?

(上司)ラポールを築くんだよ!

(部下)どうやったらラポールを
    築けるんですか?

(上司)相手との信頼関係を築くんだよ!

(部下)どうやったら相手との信頼関係を
    築けるんですか?

(上司)そんなの、自分で考えろ!

(部下)・・・・・

 まあ、
 こちらも埒があかないですよね(笑)。

 得てして、上司も
 その方法論がよく分からないことを
 部下に指示出しする場合が
 あるのではないでしょうか?

上の事例の場合、
 僕が上司だったら、

「相手との信頼関係を築くには、
  生まれ故郷や幼少期、
  趣味、好きな食べ物。
  何でもいいから 
  相手と君との共通点を探してみて、
  相手に話しかけてみなよ。」

と指示します。

いかがでしょうか?
 指示が具体的ではないでしょうか?

この指示だけで、
 言われた部下はどうしたらいいのか、
 具体的にイメージが湧くのでは
 ないでしょうか?

具体的な指示出しは、
 初めだけで大丈夫です。
 あとは、勝手に部下が進めていきます。

とにかく、
 最初の指示だけは出来るだけ具体的に。
 これがコツです。

「守破離」
 とはよく言ったものです。

日本人は、
 ゼロからイチを生み出すのが
 どちらかというと苦手な人種です。

だから、
 守破離の「守」に意味があるんです。

つまり、
 初めの基本の型を教えるのです。

それさえすれば、あとは、
 守破離の「破」「離」は、
 勝手に進んで行きます。

これを「甘やかす」と
 解釈するかどうかは、
 人それぞれですが、

 最初の段階だけ、
 背中押しをやってあげることで、
 後は勝手に進んでいくのであれば、

躊躇せずに背中押しをやってあげれば
 いいのではないでしょうか?

 状況は違えど、

グリーン車の乗務員さんも
 具体的に教えてあげれば、
 外人女性ももっと短時間で
 決断できたかも知れません。

つまり、
 「このままだと、
  お金がかかりますよ。」

ではなく、

「このままだと、
  1000円掛かりますよ。」
 といった感じで(笑)。

 

今日も最後までお読みいただき、
 ありがとうございました。

 次回もまた当コラムでお会いできる
 のを楽しみにしています!