今週のコラム 「『盤石の財務基盤』を次世代へと繋ぐ」 [2020年2月24号] 時空をズラすだけで人の感情は動く

先日テレビを見ていたところ、
 渋谷パルコを採り上げていました。

2016年に一時休業していた渋谷パルコが、
 1969年の池袋PARCO開業から
 50周年を迎える節目の年に、
 新生「渋谷パルコ」として生まれ変わる!

と称して、

2019年11月22日に
 グランドオープンした
 「渋谷パルコ(PARCO)」の紹介を
 していました。

コンセプトはサプライズ。
 館内の至る所に
 サプライズが仕掛けられている
 とのことでした。

その中で、
 特に印象に残ったものがあります。

とてもシンプルなのですが、
 とても斬新なものでした。

 それが何かというと、

「遅れ鏡」

です。

 ン?

オクレカガミ?

ナニソレ?

 この「遅れ鏡」、
 新生パルコの一部店舗で
 使われている技術のようです。

 来店客の女性が、服を試着します。

通常、彼女に限らず、試着した客は、
 自分の姿を前からしか見れません。
 後姿を観ることはできません。

それはそうですよね。
 エクソシストの主人公の少女のように、
 首が180度クルリと回る
 なんてことないですから(笑)。

でも、そのお店では、
 鏡の前で試着した客は、
 自分の後姿をハッキリと
 観ることができるのです。

 こういう感じです。

鏡の前に立ち、クルリと一回転します。

すると、鏡には、数秒遅れて、
 その女性がクルリと
 一回転する様子が映されるのです。

 なので、試着した女性は、

試着した自分の姿を
 正面だけにとどまらず、

うしろ姿もしっかりと観ることが
 できるのです。

しかも、
 クルリと一回転する様子と共に。

店員さんは、
 その数秒遅れて映し出される
 その映像を、こう呼んでいました。

「これ、遅れ鏡っていいます!」

 よく見ると、
 やっていることは何十年も前から、
 全く変わっていませんよね。

 お気に入りの服を試着して、

鏡の前で右向いたり、左向いたり、

腰に手を当てたり、

クルリと一回転してみたり。

 変えたのはただ一つ。

 鏡がその客の姿を
 数秒遅れで映し出す。

ただそれだけです。

 このたった一つの変化が、
 来店客にサプライズを
 巻き起こしているようです。

 「鏡に映る自分の姿は、
  今この瞬間しかない。」

 という一種の固定観念を
 ほんのわずかズラしただけで
 客の感情を揺り動かしたのです。

 この「遅れ鏡」、
 開発に何千万円も何億円も
 投入した訳ではないと思います。

しかし、
 確実にお客の心を
 揺さぶることはできるのです。

皆さんの事業においても、

このような些細な変化を
 創り出すことは
 可能ではないでしょうか?

 

今日も最後までお読みいただき、
 ありがとうございました。

 次回もまた当コラムでお会いできる
 のを楽しみにしています!