今週のコラム 「『盤石の財務基盤』を次世代へと繋ぐ」 [2020年3月17日号] 足元にご注意ください!が延々と。

先日、
 東静岡駅という、これまたローカルな駅で
 降りた時のお話です。

まあ、僕の住んでいる草薙駅の方が
 もっとローカルですが(笑)。

 東静岡駅は、
 地元ではかなり大きめな駅で、
 改札を出て、地上までの間、
 エスカレーターが動いています。

かなり長めのエスカレーターです。

 僕はその東静岡駅の改札を出て、
 地上に降りるために、
 エスカレーターに乗りました。

乗る前から、
 こんなフレーズが聴こえてました。

 「足元に御注意ください。」

 もちろん、自動音声です。

 ところが、エスカレーターに乗ったとたん、

ン?

と思ったんです。

 鳴りやまないんです。

 「足元に御注意ください。」
 が。

最初の
 「足元に御注意ください。」
 が終わるや否や、

次の
 「足元に御注意ください。」
 が始まる。

 この繰り返しなんです。

 腕時計を見ながら、
 時間を計っていたら、
 約1秒に1回言ってました。

 しかも、
 1回毎の間隔はほぼゼロ秒です。
 つまり、間断がないのです。

 改札のあるフロアーから、
 地上まで1分半ほどかかるので、
 90回ほど矢継ぎ早の、

「足元に御注意ください。」

を聞かされ続けるわけです。

 さて、この効果は如何に?

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何度も同じことを注意すると、
 相手は仕方なく聞いてくれることがある。
 それは、ただ単に
 「うるさいのが嫌だから」
 だけかも知れない。

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仕事の場面で、
 社員が思い通りに動いてくれない場合、

せっかちな経営者は、
 見ていられなくて、ついつい、

「こういう時は、こうしろ!ああしろ!」

などと、
 できるまで言い続けます。

 つまり、
 自分が知り得る限りの正解を
 強要しがちです。

でも、それは、
 社員の成長のためには、
 まったく役に立ちません。

社員に納得させるための時間を
 与えていないからです。

せっかちな経営者ほど、
 分かっちゃいるが、
 それができなかったりします。

 結局、
 社員が実行するまで、
 経営者は知る限りの正解を連呼します。

やがて、
 社員にとって、
 経営者の「ああしろ!こうしろ!」は、
 ただのBGMになり下がります。

そう言えば、

東静岡駅のエスカレーターに乗っている間、
 文字通り、
 間断なく聞かされ続けていた

 「足元に御注意ください。」

 も、乗って10秒あたりから、
 意味もへったくれもない、
 ただのBGMに
 なり下がっていましたね(笑)。

 あれが、もし、
 10秒に1回だったら、

「そうか、足元に気をつけてみようかな。」

なんて思いに
 なるかも知れないのにね(笑)。

 

 

今日も最後までお読みいただき、
 ありがとうございました。

 

 次回もまた当コラムでお会いできる
 のを楽しみにしています!