今週のコラム 「『盤石の財務基盤』を次世代へと繋ぐ」 [2020年5月17日号] 死ぬまで生きる。当たり前だが深い言葉

死ぬまで生きる。

別に死生観を
 語りたいわけではありません。

企業にとっての死、

それは、
 倒産、もしくは廃業を意味します。

経営者が最も恐れる事態とも言えます。

 今の新型コロナウィルスショックの
 状況下、

今まで修羅場をくぐってきた
 経営者ですら、
 そのほとんどの方々が、

最もリアルに、
 企業の死を
 目の前に
 観ているのではないでしょうか?

 至近の例では、

老舗アパレル企業でもあるレナウンが、
 民事再生を申請しました。

同社は東証一部上場企業です。

もはや、
 一部上場企業であろうとなかろうと、

立ち行かなくなったら
 そこで退場となります。

何が立ち行かなくなったらか?

 もちろん、

資金繰り

です。

 人間は、
 血液が循環しなくなったら死亡します。

一方で、
 企業にとっての血液は、
 「資金」です。

誰でも知っている当たり前のことですが、

この当たり前のことが、

少なくとも今年いっぱいは、
 次々と
 目の前で
 起きてくるのではないでしょうか。

 僕は、
 今まで何度も何度も、

「平常時ほど、
 財務基盤が分厚くなるような
 施策を粛々と積み上げるべし」

と唱えてきています。

 皮肉なものです。

経営者の皆さんは、

平常時ほど、

「別に今やらんでいいよ!」

と、何もやろうとしません。

ほぼすべての経営者がそうです。

 まるで、
 防災訓練と同じですね。

「別に今やらんでいいよ!」

そして、
 いざ大震災が起きると、
 慌てふためき、
 大事な命を失っていく。

 そんな事はあってはいけないのです。

 そんな経営者が大多数な中、

ごく稀に
 僕と同じ危機感を共有している
 経営者もいます。

彼は、

「こんなことは、
 平常時しかできんからね!」

と言いつつ、

黙々と、
 財務基盤を厚くする努力を積み重ねて、
 業績だけでなく、
 自己資本比率を
 向上させてきました。

 このコロナ禍でも
 彼の会社は、
 ビクともしていない筈です。

 なぜ、
 平常時にしかできないことを、
 平常時にやろうとしないのか?

その結果、
 会社が倒れれば、

社員とその家族を路頭に迷わせる。

そして、
 その原因となった
 コロナをひたすら恨む。

 そうです。
 コロナは確かに猛威です。

その上で、
 その遥か手前の時期に、
 やるべき事をやれる時期が
 いくらもあった筈です。

 僕は、
 そのチャンスを
 自ら手放してきたこと自体を
 残念に思います。

まだ、
 生きながらえている企業は
 ゴマンとあります。

 そして、
 まだ間に合います。

 まずは、
 資金を極大化してください。

 資金を借り入れることに
 否定的な意見もあります。

借りたら最後、
 返済が増えるだけで、
 それは自分の首を絞める、
 という理屈です。

それを全面的に
 否定するつもりはありませんが、

 この時期に、
 そんなことを
 気にしている場合でしょうか。

 まずは、
 応急処置です。
 死んでしまったら何にもならない。

もちろん、
 資金が入ってきたからと言って
 安心している暇は一秒もありません。

 死に物狂いのスピードで、
 既存ビジネスの
 時代遅れの部分を軌道修正して、

すぐに
 リニューアルです。

そして、
 反応が弱ければ、
 電光石火で
 軌道修正です。

そして、
 再びリニューアルです。

 資金が枯渇する前に
 その繰り返しを行うのです。

結果がどう出るかは
 誰も分かりません。

それを承知の上で、
 そういう
 泥臭い敗者復活劇を
 やらざるを得ないのが、

今ではないでしょうか?

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今の状況下、

ほとんどの経営者が
 考えていることの筆頭に、

「どうしたら生き残れるか」

があると思います。

 グローバル化や通信技術が進む、
 この時代。

未来永劫続くビジネスなどなく、
 いずれは幕引きになります。

それまでは、
 生き続けてほしいというのが、
 正直なところです。

 

今日も最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

 次回もまた当コラムでお会いできる
 のを楽しみにしています!