以前、ある交流会で、
経営者の方と立ち話をした時のお話です。
A社長としましょう。
(A社長)
村上さん、経費科目って
いろいろとあるじゃないですか。
で、借入金を返したら、
どの経費になるんですか?
(村上)
A社長、借入金を返したら、
それは費用にはならないんです。
キャッシュが減るだけなんです。
(おそらく、このA社長、
借入金を返すのは、
費用と考えていらっしゃる!)
(A社長)
・・・・。
えっ?そうなんですか。
これ以外にも、
経営者が会計処理で、
勘違いをされていることって、
物凄くたくさんあります。
もう一度言います。
物凄くたくさんの勘違いを
されています。
それは追々、お話ししますが、
たとえば、
この借入金の返済についての勘違いは
これだけにとどまりません。
こんな話もよく聞きました。
社長が、決算書を見て言います。
「おい、ウチは今期は結構利益を出したな。
よく頑張ってくれた。
けど、預金通帳の残高は
これっぽっちしかない。なぜだ?」
この社長も、先のA社長同様、
借入金の返済が費用だと
勘違いしている可能性が高いです。
この会社の場合、
借入金の返済が大きければ大きいほど、
利益よりとキャッシュ残高の差は大きくなり、
社長は訳が分からなくなります。
顧問税理士や経理責任者が
教えて差し上げる機会が
なかったのでしょうか?
ちなみにですが、
経営者が会計処理について、
精通する必要性など、
1ミリもありません。
それは経営者の役割では
ないからです。
経営者は、
会社経営に専念するのが責務です。
つまり、繰り返し起きる問題に対し、
経営判断を下していくのです。
ただし、
実は、その経営判断をする際に、
最低限知っていなければならない
会計処理の「常識」
というのがあります。
いいですか。
「知識」ではありません。
「常識」です。
たとえば、
冒頭に紹介した、
借入金を返済した時の会計処理。
今期の借入金額を決める際に、
利益とキャッシュに
どれだけの影響があるか見極めた上で
借入金額を決めようとしたとします。
その際に、
借入返済が費用になると、
勘違いしていたら、
利益見込額がエライことになります。
その勘違いのもと、
借入金額を決めてしまったとしたら・・・。
そんな経営者の勘違いを、
分かり易く直していくのが、
僕ら専門家の役目です。
中小企業を守る方法は
たくさんあります。
この経営者の勘違いを是正することも
その一つです。
今日も最後までお読みいただき、
ありがとうございました。