今週のコラム 「『盤石の財務基盤』を次世代へと繋ぐ」 [2020年5月30日号] お金を借りるべきか否かはTPOで瞬決を

先月のいつだったか
 定かではありませんが、
 ある経営者と雑談している時のことです。

 経営者曰く、
 「村上さん、先日、
  銀行の担当者が突然やってきて、
  銀行が「今ならお金を借りれますよ」的に
  売り込んでくるので、断ったですよ。」

 僕曰く、
 「そうでしたか。
  ちなみに、社長はなぜ銀行の申し入れを
  断ったんですか?」

 経営者曰く、
 「そりゃあ、金利が掛かるからね。
  それに、借りろ借りろと言われるままに
  借りたとしても、
  どうせ返さにゃならないお金だからね。」

 僕曰く、
 「そうなんですね。」

 こんなやり取りでした。

 突き放したような言い方ですが、

彼は僕を頼っているわけでもなかったし、

僕の言うことが
 常に正しいわけでもありません。

もちろん、彼の言っていたことが
 正しいわけでもありません。

だから、
 お話しを聞くだけにとどめました。

 その上で、
 僕が感じたことを言います。

 彼の理屈は、
 間違いではないです。
 ただし、条件付きです。

 それは、
 「今が平時だったら」
 という条件付きです。

 新型コロナの第二波第三波が
 いつ来るかも分からない。

新型コロナとは別種のウィルスが
 いつ襲って来るかも分からない。

 こんな状況は、
 誰が見ても、
 どこから見ても、
 「平時」である訳がありません。

そうです。
 「有事」以外の何物でもありません。

 その有事の真っ只中では、
 生き残るための軍資金は
 多ければ多いほどいい。

 いずれくるであろうコロナ終息時に、
 もしお金が余っていたら、
 銀行に耳を揃えて返せばいいだけですから。

 それを、
 「金利が負担だ」
 とか、

「借りたら返さなければならないから」
 とか、

言ってる余裕はないと思います。

 有事の真っ只中にいる時は、

「有事なりの決断」
 が必要です。

 逆にそんな時に、
 「平時の決断」
 などしていたら、
 生き残れません。

 つまり、
 資金に関する判断は、
 TPOで下すことが必要です。
 しかも、瞬時にです。

 捉え方はいろいろあれど、

TPOが変われば、
 その捉え方も変えていかなければ
 ダメということです。

「お金さえあれば、
  生き残りに向けた打ち手はいくつもある!」

というのであれば、
 まずはお金をかき集めることを
 第一義的に考えたらいかがでしょうか?

 「お金を借りるべきか否かはTPOで瞬決を」

今日は、
 この会計手法を
 経営者の皆さんに
 肚落ちしていただければと思いました。

 

今日も最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

 次回もまた当コラムでお会いできる
 のを楽しみにしています!