今週のコラム 「『盤石の財務基盤』を次世代へと繋ぐ」 [2020年6月2日号] 事業計画は銀行からお金を借りるためにある?

僕はセミナーで、
 必ずと言っていいほど、
 事業計画の必要性をお話しします。

すると、セミナーアンケートには、
 こんなコメントが記載されています。

「事業計画の必要性がよく分かりました。
  当社もこれから事業計画を作るように
  します。」
 とか、

「今まで、事業計画は銀行から
  お金を借りるために、
  必要なものと勘違いしていました。」
 とか。

 僕のセミナーに参加した経営者は、
 事業計画に対する認識を
 正しいものに変えていただいています。

 しかし、多くの経営者が、

「事業計画は、
  銀行からお金を借りる時に作るもの。
  つまり経営にはまったく必要のないもの。」

と考えています。

空恐ろしい勘違いだと、
 言わざるを得ません。

 結論から言います。

事業計画は、経営者にとって
 経営の羅針盤ともいえるほど、
 超重要なものです。

確かに、
 銀行からお金を借りる際の重要資料ですが、
 それは枝葉に過ぎません。

 「事業計画がなくても経営できている。」

と仰る経営者を
 ときどき見かけます。

 そんな時は、

「一体あなたは、事業計画無しに、
  どうやって経営をしているのですか?」

と聞きたくなります。

 例え話をしましょう。

 あなたが大切な家族と一緒に、
 海外旅行に行くことを決めたとします。

決めたその日から、
 次のようなことを計画しますよね。

・日程
 ・行き先
 ・飛行機のチケット予約
 ・現地での訪問先、宿泊先
 ・食事をするお店の選定
 ・買いたいお土産とその予算
 などなど。

これが何も計画を立てないまま、
 旅行当日を迎えたらどうでしょう?

一人旅ならばまだしも、家族旅行です。
 そんな海外旅行を
 家族全員が楽しんでくれるでしょうか?

 さて、
 会社経営も、この海外旅行と同じです。

無計画で日々、

・商品サービスを販売する
 ・商品サービスを仕入れる
 ・経費を支払う

を淡々と繰り返していたら
 どうでしょうか?

それはもはや経営でないことは
 お分かりでしょう。

 経営者であれば、誰しも、
 「なりたい将来像」をお持ちです。

そこに辿り着くために、
 日々経営をしている筈です。

ということは、
 「今日の当社、今月の当社は、
  成りたい将来像にどれだけ近づけたのか、
  もしくは遠ざかったのか?」

と現状把握しようとするのでは
 ないでしょうか?

 その際になくてはならないものが、
 事業計画なのです。

 事業計画がなければ、
 近付いたも、遠ざかったも、
 一切分からないからです。

 事業計画に照らして、
 近付いていれば、
 さらに近付くための施策は何なのか?

逆に、
 遠ざかっていれば、
 計画に近づけていくための施策は何なのか?

 そういったことを、
 毎月のように、
 分析検討し、
 軌道修正していくのです。

そのための事業計画なのです。

 冒頭に触れたとおり、
 銀行からお金を借りる時に、
 銀行からは事業計画を求められます。

当然です。
 銀行にしてみれば、
 お金を貸しつける会社の将来がどうなるのか、

知らずしてお金を貸すことなど、
 あり得ないからです。

 ただし、
 銀行からお金を借りるためだけに
 事業計画を作るなど、
 勘違いとしか言いようがありません。

普段から、
 羅針盤として使っている事業計画を、

銀行の求めに応じて、
 「どうぞ」てな感じで
 提出するだけです。

「事業計画は会社経営のために存在する」

今日は、
 この会計手法をお伝えしました。

経営者の皆さん、
 ぜひとも肚落ちしてください。

 

今日も最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

 次回もまた当コラムでお会いできる
 のを楽しみにしています!