今週のコラム 「『盤石の財務基盤』を次世代へと繋ぐ」 [2020年6月4日号] 将来の売上より目先の売上が大事?

知り合いの経営者の方と
 お話しをしている時に、
 こんな問いを投げ掛ける時があります。

 「社長は、
  将来の売上と目先の売上と
  どちらが大事ですか?」

 皆さんの多くが、
 こういう答えを返してくださいます。

「将来の売上が大事なのは分かっているけど、
  やはり、目先の売上が大事かな。
  食ってかなければいけないからね。」

 確かに仰る通りかも知れません。

 毎度の如く、
 答えは一つではありませんが、
 僕の答えは、こうです。

 「将来の売上は大事です。
  かつ、目先の売上も大事です。」

 そうなんです。

二者択一の問いではないのです。

どちらも大事。
 優劣はないのです。

 改めて、
 「目先の仕事」の意味付けをしてみます。

 「目先の仕事」とは、
 言い換えれば「既存事業」です。

その既存事業は、
 どういうきっかけで始めたのでしょうか?

 きっかけはいろいろあると思いますが、
 その一つに、

「世の中で
  それがなくて困っている人たちを
  助けるために始めた」

というきっかけもあるのではないでしょうか?

それが今の既存事業になっているのです。

 では、次です。

今この瞬間、世の中の人が、

「こんな商品サービスがあったらいいのにな」

と考えているとしたら、どうでしょう。

 しかも、
 誰も見たこともないその商品サービスを、
 貴方の会社が作れそうだとします。

その場合、あなたはどうしますか?

 躊躇なく、
 誰も見たこともないその商品サービスの
 開発、製造、販売へと
 必死に動き始めるのではないでしょうか?

この時、
 「他社に先んじてやる!」
 という思いも必ずあるでしょう。

しかし、それ以上にある思いは、
 「この商品を待ってくれている
  世の中の人に一刻も早く届けたい!」
 ではないでしょうか?

 これが、新規事業になっていくのです。

 何を言いたいかと言いますと、

既存事業と単に異なる事業として、
 無理やり考え出したものを、
 新規事業と呼ぶのではない、
 ということです。

世の中が求めている、
 誰も見たこともない商品サービスを
 提供することが、新規事業なのです。

 なので、
 世の中の動きを汲み取って、
 それに合わせて、
 自分の事業を変化させていくことを
 繰り返していくのです。

 生まれたばかりの新規事業も、
 時間が経てば、
 既存事業になってしまいます。

そしてまた、
 世の中の動きを汲み取った
 新規事業を創り出していくのです。

 この繰り返しです。

以上を踏まえた上で、

冒頭に掲げた問い、

「社長は、
  将来の売上と目先の売上と
  どちらが大事ですか?」

に答えるとするならば、

 「世の中の求めに応えていく限り、
  売上に目先も将来もない。
  どちらも大事。」

でしょうか。

 今日の会計手法は、

「世の中の求めに応えていく限り、
  売上に目先も将来もない。
  どちらも大事。」

です。

 経営者の皆さん、
 ぜひ肚落ちしていただければと思います。

 

今日も最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

 次回もまた当コラムでお会いできる
 のを楽しみにしています!