今週のコラム 「『盤石の財務基盤』を次世代へと繋ぐ」 [2020年6月8日号] 来期の売上計画は今期のX%増?

お知り合いの経営者に、
 こんなことをお聞きする時があります。

「社長の会社はそろそろ、
  来期の事業計画を作られるのでは
  ないですか?
  ちなみにお聞きしたいのですが、
  売上計画はどんな作り方を
  されるのですか?」

 社長曰く、
 「ウチは前年比105%とか。
  前年実績にどれだけ上乗せできるか、
  ということを考えて作りますね。」

 私は、
 「そうなんですね。」

と言っただけで、
 敢えてコメントはしませんでした。

 以上はあくまでも一例ですが、
 こんな感じで売上計画を作っている会社は、
 非常に多いです。

 いったん話を変えますが、

「そもそも、
  売上とはどういった役割を
  持っているのでしょうか?」

 別の聞き方をします。

「売上がゼロだったら、
  どうなりますか?」

 売上ゼロだったら、
 次のような状況に陥ります。

・仕入が出来ない
 ・従業員の給料が払えない
 ・慰労のための社員旅行すら行けない
 ・家賃が払えない
 ・電気代も水道代も払えない
 ・従業員を教育することもできない
 ・従業員を採用することもできない
 ・新商品の開発もできない
 ・諸々の経費が払えない
 ・会社存続のための内部留保を作れない

 つまり、

会社の現状を
 維持することもできないし、

会社の将来のための投資も
 できないのです。

 経営者の頭の中には、
 会社の将来像に関する
 いろいろなプランがあります。

それを、
 一つ一つ実現させていくための
 軍資金を作るのが、
 唯一「売上」なのです。

 では、話を再び、
 売上計画に戻します。

「売上計画は、
  何のために作るのでしょうか?」

 そうです。

「会社の将来を作る」
 です。

 であれば、

・利益がXX万円必要だから、
  それを稼ぎ出すため

・社員の教育のために、
  最低でもXX万円の予算が必要だから

・将来のための内部留保を残すため

 といった、
 売上計画を必要とする
 いろいろな理由が出てきます。

その一つ一つが、
 しっかりとした意味を持つのが
 お分かりかと思います。

 これが、冒頭紹介した
 「売上計画は、前年比XX%増」
 のような決め方でいるとしたら、

残念ですが、
 それは薄っぺらな売上計画と
 言わざるを得ません。

そして、
 その薄っぺらな売上計画をベースに作った
 事業計画は、
 薄っぺらな事業計画と言わざるを得ません。

 売上計画は、
 「会社をどうしていきたいのか」
 という、

経営者のビジョンが
 織り込まれたものでなければ
 ならないのです。

 決して、
 前期の実績に基づいて作るものでは
 ありません。

経営者が描く将来ビジョンから
 今現在に逆算したものです。

 今日お伝えしたかった、会計手法は、

「売上計画は、
  経営者が描く将来ビジョンから
  逆算する形で作る」

です。

経営者の皆さん、ぜひ肚落ちしてください。

 

今日も最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

 次回もまた当コラムでお会いできる
 のを楽しみにしています!