今週のコラム 「『盤石の財務基盤』を次世代へと繋ぐ」 [2020年6月10日号] 収入印紙の管理は切手と同じ??

慢性的な不況状態に
 覆いかぶさるように襲ってきた新型コロナ。

世知辛い世の中が、
 更に世知辛くなっています。

こんな時だからこそ、
 起きて欲しくないことが起きがちです。

それは、
 金銭事故です。

 こんな流れで、
 エスカレートしていきます。

 最初は、ドキドキで会社のお金を拝借する。
 数日後、
 誰も気が付いていないことを確認する。

また、拝借する。
 これも、気付かれていない。

また、拝借する。
 この繰り返し。

一つだけ変わっていくものがあります。

それは、
 金額です。

そうです。
 金額だけ、
 どんどん大きくなっていくのです。

世の中で実際に起きる金銭事故は、
 ほぼ間違いなくその流れです。

 世の中が世知辛いほど、
 経済的に苦しい人が増えていきます。

すると、
 こうした金銭事故が起きる土壌が
 整えられるのです。
 (そんなもん、整えんでええわい!!
  と突っ込みが入りそうですが。)

 さて、今日のタイトルに戻ります。

 収入印紙と切手、
 見た目はほとんど同じです。

違いがあるとしたら、
 絵柄と金額ぐらいでしょうか。

気になったので、
 ネットで調べたところ、多いですね。
 収入印紙の種類は。

 1000円以上の収入印紙は、
 こんなにありました。

1,000円、2,000円、3,000円、
 4,000円、5,000円、6,000円、
 8,000円、10,000円、20,000円、
 30,000円、40,000円、50,000円、
 60,000円、100,000円

 さて、この収入印紙。
 姿かたちは切手とほぼ同じ。

ということは、
 保管方法も切手と同じになりがちです。

 つまり、
 経理担当者の引き出しの中か、
 気が利いている場合、
 鍵のかかるキャビネとかに、
 切手と一緒に保管。

これが中小企業でよく見られる風景です。

 でも、怖くないですか?

 10万円の収入印紙に至っては、
 数センチ四方の紙片なのに、
 一万円札10枚と同じ価値。

罪の意識をさほど感じずに、
 拝借する人間が出ないとも限りません。

 だからこそ、収入印紙は、
 厳重な管理をする必要があるのです。

購入履歴、使用履歴、残数。

この3つの要素を、
 日次でチェックする必要があるのです。
 チェック担当は経理スタッフで十分です。

ただし、購入時、使用時には、
 経理責任者の承認が必要です。

 経営者の皆さん、
 御社はどういった管理をしているか
 ご存知ですか?

 罪びとを作らないためにも、
 罪を犯せない仕組みが必要です。

 僕が随分前に
 仲間の会計士から聞いた話ですが、
 収入印紙を拝借して換金していた
 中間管理職がいたそうです。

もちろん、エスカレートした後での
 発覚です。

もちろん、懲戒解雇だったそうです。

細かいことは忘れましたが、
 そんなことをふと思い出したので、
 こんな事をお伝えしました。

 今日お伝えしたかった会計手法は、

「収入印紙は切手と似ているけど別物。
  だから、管理も別物にすべき。」

です。

経営者の皆さん、
 ぜひ肚落ちしてください。

 

今日も最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

 次回もまた当コラムでお会いできる
 のを楽しみにしています!