今週のコラム 「『盤石の財務基盤』を次世代へと繋ぐ」 [2020年6月12日号] ドンブリ経営でもなんとかなる?

最近はほとんど聞きませんが、
昔はこんなことを仰る経営者を、
よく見かけました。

「私は、細かい数字は一切気にしない。
 経験と勘で今までやってこれたし、
 これからもこの調子で行ける。」

これに対して、
僕はこんなことを質問してました。

「では、社長は、
 経理の皆さんが作る月次決算を
 見たことはないのですか?」

社長曰く、

「見ないですね。月次決算って、
 年度末の税金を計算するための
 元資料ですよね。」

開いた口が塞がらない、
というのが正直なところでした。

もっとも、このコロナ禍の中では、
そういう事を聞くことは
ほとんどありません。

経営者の皆さんは、
ドンブリ経営できていようと、

しっかりと数字を見た経営を
してきていようと、

今の大混乱の中では、
大半の皆さんが苦境に陥っていて、
そんな事を口にする余裕すらないのです。

今日は、
コロナのことは横に置き、

昔からはびこっている
「経験と勘の経営」、

つまり、「ドンブリ経営」について
お伝えします。

ドンブリ経営の経営者は、
当然ですが、

半年先一年先の
「資金の入りと出」について、
ほとんど把握なさっていません。

ということは、

半年先一年先の
「資金残高」についても、
ほとんど把握なさっていない
ということです。

昔懐かしいバブル期のように、
事業が常に順調で、
売上がうなぎ上りの状況であれば、

半年先一年先の「資金の入りと出」を
 把握されていなくても、
 資金ショートの心配は
 ほぼしなくてよかった。

しかし、バブルが崩壊した後は、

「資金の入りと出」に
  目を光らせていなければ、

突然の資金ショートに見舞われるリスクが
 大きくなってきた訳です。

 なので、
 とにかくドンブリ経営の脱却を
 目指してください。

 そのためには、
 半年先一年先の「資金の入りと出」を
 把握できるようにしてください。

 そのためには、
 半年先一年先の「事業計画」を
 作ってください。

 そこまで進めば、
 別次元の経営が待っています。

 お金に関して抱いていた
 「見えない不安」が、
 「見える不安」に変化します。

 そうすると、
 半年先一年先の
 資金残が少なかろうと、

今月、
 来月、
 3カ月先、
 半年先、

どんな手を打って
 状況を挽回していくべきか、
 明確な行動計画が立てられます。

 明確な行動計画が立てられれば、
 実行に移せます。

 それを積み重ねていくことで、
 状況が改善していかない理由が、
 ありません。

 コロナ禍の真っ只中だからこそ、
 その真価は発揮されるでしょう。

 今日お伝えしたかった会計手法は、

「経営者はドンブリ経営から脱却して、
  半年先一年先の
  資金の入りと出を把握すること」

です。
 ぜひとも、肚落ちしてください。

 

今日も最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

 次回もまた当コラムでお会いできる
 のを楽しみにしています!