今週のコラム 「『盤石の財務基盤』を次世代へと繋ぐ」 [2020年6月19日号] 生産設備の投資回収期間って何?

もの作りをされている製造業の会社は、
 沢山あります。

いずれにしても、
 取り扱っている商品がヒットして、
 量産が必要になってきたとします。

こうした場合、
 経営者は、
 目標とする生産量をカバーできるだけの
 生産設備の導入を検討します。

 ここで、
 必ず思い出していただきたい
 ポイントがあります。

それが
 「投資回収期間」
 です。

意味は、
 読んで字の如し、
 「投資したお金を回収できる期間」
 です。

 今回のケースでいうならば、
 製造業で量産体制を整えるための
 生産設備の導入です。

急増してきた商品の需要に応えるために、
 生産量を増やす必要がある。

そのためには、
 生産能力を増強する必要がある。

そのためには、
 大量生産に見合った生産設備を
 導入する必要がある。

そのためには、
 新しい生産設備導入のための
 お金(設備投資資金)が必要となる。

この設備投資で何が起きるのか?

設備導入により
 費用の一部が削減されます。

販売量が増加することにより
 利益が増加します。

つまり、
 「今回、
  新しく生産設備を導入することで、
  どれだけの費用が節約できて、
  どれだけの利益が増えるのか」

ここまでは、
 新しい設備投資を検討する際、
 ほとんどの会社で検討します。

実は、
 これ以外で、
 中小企業で見落とされがちな点があります。

それが、
 「投資回収期間」
 という考え方です。

 更にいきます。

投資回収期間って、どう出すの?

そんな声が聴こえてきそうです。

 投資回収期間は、

投資額 ÷ その投資が稼ぎ出す年間利益

で出します。
 単位はもちろん「年」です。

この「●●年」をいろいろなものと比べます。

・投資する設備の耐用年数
 ・投資資金を借入金で調達する場合には、
  その借入期間
 ・その設備が生産する商品のライフサイクル

等々、
 つまり答えは一つではなく、
 会社独自で目標値を決めればいいのです。

 いずれお話ししますが、

投資回収期間とは、
 経営者が経営判断するための、
 判断材料を導き出す「管理会計」の
 個別テーマの一つです。

なので、
 税務署に提出する決算書を規定する
 「制度会計」とは次元が違うのです。

経営者が知っておくべき「会計手法の固まり」
 のようなものです。

これらについても、
 上級編として、
 いずれ別の機会でお伝えします。

 今日お伝えしたかった会計手法は、

「設備投資を経営判断する際、
  投資回収期間の検討は必要不可欠」

です。

経営者の皆さんは、
 ぜひとも肚落ちしてください。

 

今日も最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

 次回もまた当コラムでお会いできる
 のを楽しみにしています!