今週のコラム 「『盤石の財務基盤』を次世代へと繋ぐ」 [2020年6月20日号] 商品を黒字商品と赤字商品に分ける必要ある?

先日お会いした経営者とのやり取りは、
 とても印象深かったです。

今日は、そのことをお伝えします。

 彼はこんな風に、切り出しました。

「村上さん、
  僕が今一番必要としているのは、
  経営判断をするための計数管理データが、
  瞬時に出てくる内部管理体制なんです。
  例えば、商品別利益、得意先別利益、
  商圏別利益、などなど。」

 更に続けて、こうも仰いました。

「それだけではないですよ。
  ウチの全社員が、
  その計数管理データをベースにして、
  自分の行動を会社貢献のために、
  常に軌道修正していくような
  社風なんです。」

 この会社は、
 このコロナ禍の中でも、
 業績を伸ばしており、
 資金繰りの不安もほとんどないようです。

その上で、
 さらなる高みを目指しての、
 先ほどの発言です。

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どの会社も複数の商品を取り扱っています。

そのどれもが黒字ではないでしょう。
 不本意ながら、赤字商品もあります。

例えば、
 原材料費が高騰して、
 粗利レベルで、
 赤字商品のケースもあります。

この場合、
 粗利益を、
 商品単位で区分把握していなければ、
 赤字商品の特定はできません。

つまり、
 赤字商品の存在にすら、
 気付いていない経営者は多いのです。

さらに、
 粗利益レベルで、
 黒字商品であったとしても、

営業利益レベルで、
 赤字商品もあり得るのです。

 細かい説明は、
 今日は割愛します。

 いずれにしても、

粗利益レベルで、
 さらに、
 営業利益レベルで、

黒字商品なのか、
 赤字商品なのか、
 峻別できる計数管理体制を備えることは、

アフターコロナにおいては、
 今まで以上に、
 重要です。

 この仕組みは、
 お金をかけないと持てない
 という訳ではありません。

かけられる予算がなければ、
 簡易なモノで構わないのです。

 言いたいことは、

経営者であれば、
 企業規模に関わらず、

自社が取り扱う商品が、
 黒字なのか?
 赤字なのか?

冷徹に評価する思考を持っていただきたい、
 ということです。

 実は、
 この考え方は、
 何年も前から中小企業経営者に
 お伝えしてきたのですが、

ほとんどの皆さんが、
 「村上さん、必要性は分かるけど、
  緊急性は感じないですね。」
 との反応でした。

しかし、
 今コロナで苦しんでいる経営者の皆さん、

企業規模に関わらず、
 今だからこそ、
 黒字商品と赤字商品の峻別を、

最優先の経営課題に
 位置付けるべきではないでしょうか?

 気が付かずに、
 赤字商品を放置しているとしたら、
 赤字の垂れ流しを黙認しているのと同じです。

今は、
 そんな状況を許せる体力は無いはずです。

 手遅れになる前に、
 赤字商品を瞬時に把握して、

かつ、
 瞬時に撲滅できる計数管理体制を
 作ってください。

 今日お伝えしたかった会計手法は、

「商品は、
  黒字商品と赤字商品に峻別すべし」

です。

経営者の皆さんは、
 ぜひとも肚落ちしてください。

 

今日も最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

 次回もまた当コラムでお会いできる
 のを楽しみにしています!