今週のコラム 「『盤石の財務基盤』を次世代へと繋ぐ」 [2020年9月15日号] 薄っぺらいのは避けるべし

おはようございます。村上です。

今日もこのコラムをご覧いただき、
 ありがとうございます。

今日は、昨日お話しした、
 事業計画を作る際の各論の一つを
 お話ししていきます。

いわゆる損益計画と呼ばれている
 モノの作り方、というか、
 作る際の考え方をお伝えします。

会社の決算書は、貸借対照表
 (よくバランスシートとか呼ばれてますよね)
 と、損益計算書がその代表選手です。

今日は、その損益計算書についてです。

それ以外にもいろいろありますが、
 今回の話には一切関係ないので
 省略します。

損益計算書というモノに
 あまりなじみのない経営者の方も
 いるかも知れないので、
 ザックリとその特徴をお話しします。

表の一番上から、
 売上がいくら、売上原価がいくらで、
 その結果、粗利益をいくら稼いだか。
 その粗利益で、いくらの経費を賄って、
 どれだけの最終の利益を稼いだか。

ホントにザックリですが、
 こんな感じのモノです。

平たく言えば、
 会社が1年間ビジネスをして、
 どれだけ利益を残したか。
 いわば、成績表のようなモノです。

この損益計算書を、
 計画と言いますか、目標と言いますか、
 1年後にこんな損益計算書になっていたい、
 というものを「損益計画」といいます。

今、1年後と言いましたが、
 別に1年にこだわる必要はなく、
 3年でも5年でも構いません。

ただ、余り先のことになると、
 現実味が薄くなると言いますか、
 環境変化が光速で進んでいるような現代では、
 1年先も予測困難ですから、

3年先5年先の計画は、
 僕は基本お勧めしません。

まずは、
 地に足がついた「1年先の損益計画」を作る、
 それより先のモノは、
 ついでに作る、と言った感じでしょうか。

さて本題に入ります。

よく見る損益計画の作り方はこんな感じです。
  ↓
 表の一番上にある売上高を、
 去年の実績のXX%増でいこう、
 とかいうスローガン的な根拠
 (実はこれ、根拠レスです)で作ります。

次に、原価率。
 こちらは前年と大きく変わらないので、
 売上原価は、売上が決まれば、
 ほぼほぼ決まってきます。

その結果、粗利益も決まってきます。

次いで、
 経費にはいろいろな種類があるのですが、
 なんらかの見直しをするモノ、
 しないモノを峻別できるので、
 前年の金額を参考に、
 膨らめたり縮めたりできるので、
 こちらもほぼほぼ決まってきます。

こうして決まった経費を、
 粗利益から差し引いた残りが、利益です。

さて、
 この流れで作られた損益計画ですが、
 どうでしょうか?

説得力がありますか?
 魂がこもっていると思いますか?

敢えて言いますが、
 まったく説得力もないですし、
 魂なんてこれっぽっちもこもっていません。

僕がよく使う表現ですが、
 薄っぺらな損益計画です。

こんなレベルの作り方で作られた損益計画を、
 いったい誰が使うでしょうか?

おそらく、
 役員も社員も配られても、
 机の引き出しの奥深くにしまい込んだまま、
 1年間過ごす。

1年後にまた新年度の損益計画を
 作ろうとした時に、
 「あ~、そう言えば・・・」と
 去年のモノを思い出すけど、

引き出しを開けても、
 奥深くしまい込まれているので、
 すぐには見つからない。

こんな笑い話にならないような情景は、
 実は、あるあるなのです。

さて、
 説得力のある損益計画、
 魂のこもった損益計画、
 あつっぺらな(薄っぺらの真逆の意味の
 造語です(笑))損益計画は、
 一体どんなものなのか?

続けたいところですが、
 かなりの長文になりそうなので、
 ここら辺で、今日は一旦とめます。

次回に、
 僕が普段アドバイスしている
 損益計画の作り方(の考え方)を
 お伝えします。

ところで、
 感想があったら、
 何でも結構なのでお送りください。

皆さんの感想から、
 今後何をお話しするのがいいのか、
 見えてきますので。

アウトプットをするのも、
 良い思考訓練になります。
 ぜひチャレンジしてみてください。

今日も最後までお読みいただき、
 ありがとうございました。

次回もまた当コラムでお会いできる

 のを楽しみにしています!