今週のコラム 「『盤石の財務基盤』を次世代へと繋ぐ」 [2020年9月16日号] 「鮭の川上り」こそ損益計画の真髄

おはようございます。村上です。

今日もこのメルマガをご覧いただき、
 ありがとうございます。

前回は、
 薄っぺらな損益計画とは決別して、
 あつっぺらな損益計画をつくるお話しを
 しました。

前回のメルマガを読んでいない方は、
 こちらをまず読んでください。
 ↓
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前回は、
 「次回は、あつっぺらな損益計画の作り方を
  お話しします。」
 と言いました。

なので、
 今日は、あつっぺらな損益計画の作り方の
 概要をお話しします。

まずは、その真髄を言います。

それは、「鮭の川上り」です。

もう少し、分かり易くお伝えしていきますが、
 まずは、この真髄を頭の隅っこに置いた状態
 で読んで下さい。

 損益計算書はこんな順番で書かれています。
 (お分かりにならない方は、これも前回の
  メルマガを読んでください。)

 売上高  1,000
  売上原価  600
  粗利益   400
  経費    300
  最終利益  100

ザックリとこんなイメージです。

さあ、ここからです!

何度も言いますが、
 損益計画の真髄は、「鮭の川上り」ですよ。

売上高なんて最後の最後です。
 まず気にするのは、最終利益です。

翌期は、最終利益をいくら稼ぐか?
 つまり、当社は翌期の最終利益を
 いくら欲しいのか?

この問いをとことん突き詰めます。

答えは一つではありません。
 いろんな考え方があるでしょう。

社員一人当たり、XX万円の最終利益が
 欲しいから、会社全体として、
 XX百万円の最終利益が必要だな。

とか、

翌期は借入金をXX百万円返済しなければ
 ならないから、XX百万円の最終利益が
 必要だな。

とか、

社員の給料を平均XX百万円支払って
 あげたいから、XX百万円の最終利益が
 必要だな。

とか、とか。

この辺で止めときますが、
 最終利益をいくらにしたいか、
 の根拠は無数にあります。

根拠は何でも構いません。
 それが経営者の想いに基づき、
 かつ、社員全員の賛同が得られれば。

さて、最終利益が固まりました。

次は、いいですか?

合言葉は「鮭の川上り」ですよ。

ということは、川上に移動するのです。

ということは、経費です。

経費は、実は油断のたまり場と
 化しているのです。

ろくに読んでもいない業界専門誌(発行部数
 が少ないので値段だけはやけに高い)

とか、

使わなくなって何年も放置されている
 月極駐車場

とか、

誰も活用していないコミュニティの諸会費

とか、とか。

挙げ出したら、きりがありません。

経費だけに、会社の誰もが油断して、
 放置され、お金だけ律義に支払い続けている。

こんなゾンビのような経費が
 どの会社にも必ず一つや二つはあります。

ここは鬼の心で、
 一つ一つきっちりチェックして
 果敢に解約していくのです。

一つ一つは大した金額にはなりませんが、
 チリツモです。

それだけの最終利益を稼ぎ出そうとしたら、
 どれだけの売上を上げなきゃならないのか、
 営業現場の仲間の顔を思い浮かべてください。

決して疎かにできないことが
 よくお分かりでしょう?

さて、
 経費の中には超重要な項目があります
 さっきも一度出ましたが「社員給与」です。

これは、特別なもの、
 つまり、並みの経費ではないのです。

なのでまた、次回以降にお伝えします。

さて、また、「鮭の川上り」です。

更に川上に移動です!

次は、粗利益です。

これは、
 「最終利益プラス経費」で決まってきます。

さて、先を急ぎますよ!
 更に川上に移動です。

次は、売上原価。

売上原価は売上高に連動してくるものです。

「原価率がなぜこんなに上がったんだ?」

なんて質問を
 仕入れ担当者に投げ掛けたことのある
 経営者の方、いますよね?

その売上原価です。

そうです。
 原価率は前期とほぼほぼ変わりません。

ということは、
 粗利率も前期らほぼほぼ変わりません。

なので、粗利益を粗利率で割り返して、
 原価率を掛けると、売上原価が固まります。

さて、
 いよいよ最後の「鮭の川上り」です!

そうして出てきた売上原価を
 原価率で割り返して、
 ついに売上高が固まります。

最終利益から始まって、
 最後は売上高に辿り着きましたね。

「鮭の川上り」の意味がよく分かりましたか?

こうしてはじき出された売上高は、
 通常は、突拍子もない金額になる
 場合が多いです。

なぜなら、スタートの最終利益が、
 そもそも(もちろん)黒字で、
 なおかつ、
 それなりの金額規模になっているからです。

でも、よく考えてください。
 突拍子もない売上高を要求する
 最終利益ですが、
 それなりの根拠に基づいて
 目指すべき最終利益なのです。

だから、
 それを達成するために必要な売上高なので、
 その金額が突拍子がないとしても、
 根拠がある金額なのです。

であれば、
 一見突拍子もない売上高だろうと、
 全社一丸で、
 チャレンジする思いが湧き出てくる
 のではないでしょうか?

前回お伝えした、
 薄っぺらな損益計画で

「翌期の売上高は前期比105%でいくぞー!」

なんて社長がいくら叫んでも、
 コダマしか返ってこないケースと、
 次元が全く違うというのが
 お分かりいただけたでしょうか?

さて、というわけで、
 読者の方から頂いたメールを
 紹介していきますね。

===========ここから===========
 Aです。
 ご無沙汰しております。

感想をとありましたので
 メールさせていただきます。

弊社の損益計算書が
 まさに薄っぺらい損益計算書です。

売上は昨対比で105%以上。
 経費は削減していこう2%減。

個人の売上目標等も
 損益計算書と帳尻を合わせる為に

売上は105%以上で目標を組まされるので、
 現実とかなり乖離した目標になる事も
 多々あります。

4月からいきなり目標達成できず、
 モチベーションが下がる社員もいます。

ほとんどの社員が
 損益計算書を見るのは、
 来年の事業計画を立てる際に、
 今年の損益計算書を見るといった状況です。

まさに机の引き出しの奥に
 入りっぱなし状態です。

貸借対照表・損益計算書を
 あまり理解出来ていない社員もいます。
 恥ずかしながら私も
 村上さんのメルマガを購読させて
 いただいてから理解しました(笑)

事業計画作成時期になると
 社員のモチベーションが目に見えて下がる
 のが分かります。

手間暇をかけ、労力かけ、
 時間をかけて作る資料が、
 ほとんど見る事がないからです。

改めて薄っぺらい損益計算書だな
 と思いました。

私は、超下っ端なので
 事業計画等に文句を言える立場にありませんが
 魂のこもった、
 あつっぺらな損益計算書を見てみたいです。

次回のメルマガ楽しみにしております。
===========ここまで===========

Aさん、感想ありがとうございます。
 Aさんの会社に限らず、
 薄っぺらな損益計画は、
 本当にあるあるなのです。

これとは真逆の
 あつっぺらな損益計画を作ることが、
 強い会社になるための選択肢の一つであり、
 存続していける会社になるための選択肢の
 一つであるのです。

皆さんの会社も、
 「薄っぺら」には断固として決別して、
 「あつっぺら」に舵を思い切り
 切り直してください。

さて、皆さんの感想をお待ちしています。
 こんなこと、あんなことを聞いてみたい!
 という要望があれば、
 遠慮なく言ってください。

そのこと自体、
 アウトプットの訓練にもなりますし、
 皆さん一人一人の要望は、
 他の多くの経営者の皆さんの要望でも
 あるのです。

だから、
 遠慮なくアウトプットをどうぞ。
 楽しみにお待ちしています。

今日も最後までお読みいただき、
 ありがとうございました。

次回もまた当メルマガで
 お会いできるのを
 楽しみにしています!